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正弦波の変数分離

 \(Einstein\) によって、光は粒子であると提唱されたのが1905年、そして\(de Broglie\) によって、電子が波動であると提唱されたのが1923年。

 

 この時代背景の中で、じゃあ物質波(\(de Broglie\) 波)が一体どんな形で定式化できて、どんな性質を持つのかを考え出す必要性が出てた。

 

 とりあえず、どんな波か皆目見当がつかないので、一般的な正弦波を考えることにしよう。

\(x\)軸の正に進むような、ある波を、

 

\(ψ_A(\mathbf{r},t)=Asin2π(\displaystyle\frac{t}{T}-\frac{x}{λ})\)

 

もしくは

 

\(ψ_A(\mathbf{r},t)=Asin(ωt-\displaystyle\frac{2πx}{λ})\)

 

とする。また、同様に、

 

\(ψ_B(\mathbf{r},t)=iBcos(ωt-\displaystyle\frac{2πx}{λ})\)

 

という波を考えてもいい。

 

 波はそれぞれが独立で、波の独立性というものがあるから、式の上でもお互いは線形独立で、重ね合わせたとしても一般的な波であると言ってもよさそうである。

 

\(ψ(\mathbf{r},t)=ψ_A+ψ_B\)

 

 \(=Asin(ωt-\displaystyle\frac{2πx}{λ})±iBcos(ωt-\frac{2πx}{λ})\)

 

 \(=exp[±i(ωt-\displaystyle\frac{2πx}{λ})]\)

 

 \(=exp(∓\displaystyle\frac{i・2πx}{λ})exp(±iωt)\)

 

\(ω=2πν\)を使えば

 

 \(=φ(\mathbf{r}) exp(±i・2πνt)\)

 

とできるので、\(de Broglie\) 波がどんな波なのか不明であるうちは、

 

\(ψ(\mathbf{r},t)=φ(\mathbf{r}) exp(-2πiνt)\)

 

なる波であると勝手に仮定しておくことにする。

 

 

▼正弦波を変数分離した式

\(ψ(\mathbf{r},t)=φ(\mathbf{r}) e^{-2πiνt}\)

 

 この時点では、\(de Broglie\) 波の特性も媒質も何もわかっていないので、とりあえずできる限り一般的な波で表現しておいて、不都合が生じるたびに、その部分について検討していけばいいということにしておこう。

 

 とりあえず、後々の計算でラクができるかもしれないから、一般的な正弦波を、空間成分と時間成分とに「変数分離」しておくことにする。