■等角速度回転運動
高校物理までで等速円運動と呼ばれていたものは、角速度に着目して命名すると「等角速度回転運動」となる。
角速度が一定なので、回転角\(\theta\)は、
\(\theta=\omega t\)
となり、直線運動でいう\(x=vt\)と対応がつく。
\(\omega-t\)グラフを作成すれば、その面積が回転角\(\theta\)を意味することになる。
■等角加速度回転運動
剛体に力のモーメントが作用し続けると、回転運動は徐々に速くなっていく。
時刻\(0s\)での速度を\(v_0\)、角速度を\(\omega_0\)、
時刻\(t[s]\)での速度を\(v\)、角速度を\(\omega\) とする。
すると、単位時間あたりの角速度の変化量\(\beta\)は
\(\beta=\displaystyle\frac{\omega-\omega_0}{t} [rad/s^2]\)
となる。この物理量を「角加速度」といい、角加速度が一定であるような回転運動を「等角加速度回転運動」という。
速度と角速度の関係は\(v=rω\)で表せるが、加速度と角加速度の関係も導いておこう。
\(\beta=\displaystyle\frac{\omega-\omega_0}{t}\)
\(=\displaystyle\frac{\displaystyle\frac{v}{r}-\frac{v_0}{r}}{t}\)
\(=\displaystyle\frac{1}{r}・(\frac{v-v_0}{t})\)
\(=\displaystyle\frac{a}{r}\)
よって
\(a=r\beta\)
となって対応性がきれいだ。
どんどんいこう。直線運動の加速度運動の公式を導出する手順で、角加速度バージョンで等角加速度3公式を導出してみる。
\(\beta=\displaystyle\frac{\omega-\omega_0}{t}\) より
\(\omega=\omega_0+\beta t\)
\(\omega-t\)グラフを描いたとき、その面積から回転角を求めることができるので、角加速度が\(\beta\)であるときのグラフから、面積を求める。
さすがに面積導出過程は省略するが、長方形部分と三角形部分に分けて考えてやれば、項別にきちんと求まる。
\(\theta=\omega_0t+\displaystyle\frac{1}{2}\beta t^2\)
そして、これら2本の式を連立して\(t\)を消去してやれば、
\(\omega^2-\omega^2_0=2\beta \theta\)
以上である。等加速度直線運動の3公式の文字を書き換えただけの形となり、とてもエレガントで美しい。
使い勝手も慣れた方法でいけそうである。
▼加速度と角加速度の関係
\(a=r\beta\)
▼等角加速度回転運動の3公式
\(\omega=\omega_0+\beta t \)
\(\theta=\omega_0t+\displaystyle\frac{1}{2}\beta t^2\)
\(\omega^2-\omega^2_0=2\beta \theta\)
[参考]
▼速度と角速度の関係
\(v=r\omega\)
▼等加速度直線運動の3公式
\(v=v_0+at\)
\(x=v_0t+\displaystyle\frac{1}{2}at^2\)
\(v^2-v^2_0=2ax\)