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行列式

 式変形していく過程で行列式の計算をしないといけない場面に遭遇したが、計算方法が記憶の彼方に行ってしまったようだ。

\(2×2\)行列と、\(3×3\)行列の行列式は計算ができるが、問題はその先だ。相対論以降は\(4×4\)行列の行列式を使いこなせるのが大前提のようである。

 そもそも「行列式」という量が「正方行列」に対してのみしか定義されないことは知っていることとして話を進める。

 

■\(2×2\)行列の行列式

\(\begin{vmatrix} a_{11} & a_{12} \\ a_{21} & a_{22} \end{vmatrix} =a_{11}a_{22}-a_{12}a_{21}\)

 

■\(3×3\)行列の行列式

\(\begin{vmatrix} a_{11} & a_{12} & a_{13} \\ a_{21} & a_{22} & a_{23} \\ a_{31} & a_{32} & a_{33}  \end{vmatrix}\)

 \(=a_{11}a_{22}a_{33} + a_{12}a_{23}a_{31} + a_{13}a_{21}a_{32}\)

  \(- a_{13}a_{22}a_{31} - a_{12}a_{21}a_{33} - a_{11}a_{23}a_{32}\)

■\(4×4\)行列の行列式

 \(3×3\)行列の行列式まではサラスの公式を使って簡便に計算ができたが、\(4×4\)からはそうもいかない。

 そこで登場するのが「余因子展開」というワザである。

 余因子展開というのは、\(4×4\)行列を\(3×3\)行列にしたり、\(5×5\)行列を\(4×4\)行列にしたりと、行列式を計算するために行列を小さくすることができるワザである。

 もちろん、\(3×3\)行列を\(2×2\)行列にすることもできる。

 

 例えば、\(4×4\)行列を、縦1列目で余因子展開したとする。

 このとき、\(a_{11}\)を行列式の外に出してしまって、残りの縦1列成分と、横1行成分は全て消滅させてしまう。すると、\(3×3\)行列だけが残るのである。

 私はこの操作に、某、爆弾ゲームのようなイメージが沸いた。

 

 以降、\(a_{21}\)、\(a_{31}\)、\(a_{41}\)成分も本体の行列から出してしまって、残りを小さい行列式に崩してやる。

 符号だけ注意が必要だ。取り外した行列成分の行番号と列番号の和が偶数なら+、奇数なら-になる。

 

\(\begin{vmatrix} a_{11} & a_{12} & a_{13} & a_{14}\\ a_{21} & a_{22} & a_{23} & a_{24}\\ a_{31} & a_{32} & a_{33} & a_{34}\\ a_{41} & a_{42} & a_{43} & a_{44} \end{vmatrix}\)

 

 \(=a_{11}\begin{vmatrix} a_{22} & a_{23} & a_{24}\\ a_{32} & a_{33} & a_{34}\\ a_{42} & a_{43} & a_{44} \end{vmatrix} -a_{21}\begin{vmatrix} a_{12} & a_{13} & a_{14}\\ a_{32} & a_{33} & a_{34}\\ a_{42} & a_{43} & a_{44} \end{vmatrix} +a_{31}\begin{vmatrix} a_{12} & a_{13} & a_{14}\\ a_{22} & a_{23} & a_{24}\\ a_{42} & a_{43} & a_{44} \end{vmatrix} -a_{41}\begin{vmatrix} a_{12} & a_{13} & a_{14}\\ a_{22} & a_{23} & a_{24}\\ a_{32} & a_{33} & a_{34} \end{vmatrix}\)

 

\(3×3\)行列まで落とすことができれば、あとはサラスの公式で計算が可能だから、ここまで分かれば十分であろう。

何より、相対論では成分が\(0\)になることが多いから、こんなにも煩雑な計算を追わなくてもよさそうである。