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運動の記述[2]

 角\(\alpha\)をなす二直線にそって,\(A\)船が速さ\(u\)で港に近づき,\(B\)船が速さ\(v\)で港から遠ざかる場合,両船の距離が最小のときの,港から両船までの距離の比は次のようになることを示せ。

 

\((v+ucos\alpha):(u+vcos\alpha)\) 

 

 

[解答]

港を\(O\),\(AO=x\),\(BO=y\),\(AB=z\)とおく。

 

両船の距離\(z\)は徐々に値を減らし,距離が最小となった点を境に再び増加へと転じる。

このことから,両船の距離が最小となるときの\(z\)の時間微分が\(\dot{z}=0\)となることがわかる。

 

また、それぞれの船の速度が図のように,\(-u\),\(v\)となることから、

 \(\dot{x}=-u\),\(\dot{y}=v\)

とすることができる。

 

両船の距離\(z\)は,余弦定理より

 \(z^2=x^2+y^2-2xycos\alpha\)

と表せるので、両辺を\(t\)で微分すると、

 \(2\dot{z}z=2\dot{x}x+2\dot{y}y-2\dot{x}ycos\alpha-2x\dot{y}cos\alpha\)

 

ここに、\(\dot{z}=0\),\(\dot{x}=-u\),\(\dot{y}=v\)を代入すると、

 \(0=-ux+vy+uycos\alpha -vxcos\alpha\)

 \(y(v+ucos\alpha)=x(u+vcos\alpha)\)

よって

 \(x:y=(v+ucos\alpha):(u+vcos\alpha)\)